2016年6月19日日曜日

ZOMBIE, VOODOO, SANTERIA, MILTON CARDONA

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stod phyogs 2016年6月19日日曜日 ZOMBIE, VOODOO, SANTERIA, MILTON CARDONA
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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ロラン རོ་ལངས་ ro langs(死体が起き上がる)で思い出したのだが、どういうわけか、最近ゾンビ・ブームなのだそうだ。

George Romeroの映画DAWN OF THE DEAD(邦題:ゾンビ)(1978)から実に約40年。ゾンビ・マニアが途切れることなく地味に存在して来たのは知っていたが、なんでまた最近こんなに流行り始めたのか謎。

一説では「ゲームの『バイオハザード』(1996)がトリガーになった」というのだが、ゲーム界の話題には疎いのでよく知らない。

マンガなんかを見ても、ゾンビについての造形はRomeroのものから一歩も出ていないような気もする。ま、zombie自体にはあんまり興味ないです。

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Zombieについての本も結構出ていると思うのだが、その中でも決定版はこれだ!

・檀原照和 (2006.4) 『ヴードゥー大全 アフロ民俗の世界』. 467+xvii pp. 夏目書房, 東京.


装幀:吉本謙次(夏目書房)

といっても、実はzombie自体の本ではない。zombie伝説の大元であるHaitiの民族文化Voodooについての、うん、研究書と言っていいでしょう。

分厚いぞ!重いぞ!

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HaitiやNew OrleansのVoodooだけじゃなく、同源の文化/宗教であるCubaのSanteria、BrazilのCandomblé/Umbamdaも取り上げている。果ては、直接関係ないJamaicaのRastafarianism(ラスタファリ運動)に脱線したりするのも楽しい。

Rastafarianismを除くこれらの宗教/信仰はすべて、西AfricaのYoruba人~Fon人の宗教を起源とし、America大陸の土着信仰や独自の発展が加わった地域ヴァリエーションです。

Voodooは単なる宗教にとどまらず、Latin America~USAの黒人文化の基層となっている重要な概念なのだ。Voodooを語ることは、南・中・北米大陸の黒人文化を語ることに他ならない。

America大陸のポピュラー・ミュージックや黒人文化に興味を持つ人には必読書だ。が、高い本なので、実は私も必用な部分のコピーしか持っていない。講談社学術文庫にならんかねえ・・・。

Zombieについては、p.57~63で取り上げてある。フィクションで描かれるzombieとはだいぶ印象が違うかもね。

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これと一緒に、

・立野淳也 (2001.10) 『ヴードゥー教の世界 ハイチの歴史と神々』. 190pp. 吉夏社, 東京.


装幀:大橋理恵

もどうぞ。こちらはHaitiに集中した本だが、これもすごく役に立つ。

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HaitiのVoodooのヴァリエーションの一つが、お隣りCubaやPuerto RicoのSanteria。

Milton Cardona/BEMBÉ. [american clavé(ewe)] 1987


Design : Capoeira Graphics

1985/08/25-26, NYC
The Eya Aranla Ensemble :
Akpwon(Leader):Milton Cardona (lead-vo, bata, perc)
Bata(Drummers):Hector "Flaco" Hernandez, Steve Berrios, Jose Fernandez
Ankori(Chorus):Sandra "Fela" Wiles, YomiYomi Awolowo, Carole Awolowo, Paulette "Nirvana" Buckley, Amma Oforiwaa Agyapon, Denise Ola DeJean, Linda Evans, Amma Dawn, Teresa Gomez

01. Slatute to Elegua
02. Elegua
03. Ogún
04. Ochosi
05. Ebioso
06. Babalu Ayé
07. Obatalá
08. Changó
09. Yemayá
10. Ochún
11. Odudua
12. Elegua (Closing)

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CubaからUSAに亡命したミュージシャンによるPuerto Ricoの(注)Santeriaの宗教音楽。まるでNonesuchの民族音楽シリーズかと思うほどのディープな作品。

このころKip Hanrahanのamerican clavéレーベルに凝っていた(今も大好き)のだが、その中でもこのディープさには驚いた。こんなものが商業作品としてリリースされるとは・・・。

(注)@2016/06/21

Milton Cardonaは亡命Cuba人だとばかり思っていたが、Puerto Ricanだった。面目ない。

Puerto RicoはCubaのさらにお隣り。文化的には非常に近く、Santeriaもほぼ同じらしい。

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その前に出た

Daniel Ponce/NEW YORK NOW ! [Celluloid/OAO(CBSソニー)] 1983

も、やはりは、亡命Cubanミュージシャンによる作品。こちらも古典Siboneyなども演っていて、やたらディープだったが、BEMBÉの濃さはそれをはるかに上回る。

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BEMBÉとはSanteriaの祭儀のこと。全曲Santeria/VoodooすなわちYoruba/Fonの神々への讃歌で構成されている。楽器はbataのみ(神によってそれぞれリズムが定まっている)で、Miltonとコーラス陣とのCall & Responseで神への讃歌が延々続く。

たぶん、初めて聞く人はチベット仏教音楽とたいして印象が違わないかもしれない。同じく宗教音楽ですから。

曲名はSanteria(Voodoo)の神々の名前なのだが、さっきの『ヴードゥー大全』を参考にすると、このCD(実はアナログも持ってる)がよく理解できます。

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ついでに、

Milton Cardona/CAMBUCHA(CARMEN). [american clavé(Justin Time)] 1999


Design : Capoeira Graphics

1999/01-04, NYC

も紹介しておきましょう。Milton Cardonaのリーダー作2作目。BEMBÉと同様のSanteria音楽に、ピアノ・トリオやホーンなどが加わり、エンターテインメント性を強めたものになっています。

途中からはMilton自身がDoo-Wopヴォーカルなども披露し、american clavéらしくわけがわからなくなってきます。そこに、同レーベルでは珍しいMichael Breckerまでが加わり、実に賑やかな作品となりました。

それにしてもamerican clavéのアートワークは素晴らしい。

残念ながら、Snateria/Afro-Cubanミュージックの巨人であったMilton Cardonaは、2014年に亡くなっています。Orlando Puntilla Riosも2008年に亡くなっているし、american clavéレーベルで活躍したLatin Musicの巨人たちがどんどんいなくなるなあ・・・。

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連想ゲームで、

ロラン → ゾンビ → ヴードゥー → サンテリア → Milton Cardona

と、取り留めのない話に流れてきましたけど、こういう酒場での雑談っぽい流れで書いていくのは楽しいなあ。

読む方が面白いかどうかは知らんが・・・すいません。

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