2016年5月3日火曜日

音盤テルトン(12) Marian McPartland's PIANO JAZZ : STEELY DAN

本エントリーは
stod phyogs 2016年5月3日火曜日 音盤テルトン(12) Marian McPartland's PIANO JAZZ : STEELY DAN
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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こんなのあるの知らなかったぞ。

Marian McPartland's PIANO JAZZ with Guest Steely Dan [Concord / The Jazz Alliance] 2005


















2002/07/23, Unknown, CA?(Radio Broadcast by National Public Radio)
Marian McPartland (p), Donald Fagen (p,vo), Walter Becker (g), Jay Leonhart (b), Keith Carlock (ds)

01. Conversation
02. Limbo Jazz
03. Conversation
04. Josie
05. Conversation
06. Mood Indigo
07. Conversation
08. Star Eyes (MM solo)
09. Conversation
10. Hesitation Blues
11. Conversation
12. Things Ain't What They Used to Be
13. Conversation
14. Chain Lightning
15. Conversation
16. Black Friday

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Jazz Pianist Marian McPartlandがホステスをつとめ、様々なミュージシャンを招き、トークと演奏を交互に送るラジオ番組のCD化。

Bill Evansとのものは昔から有名で、早くから商品として出回っていましたが、それが1978年の録音。

Steely Danとのものは2002年ですから、ずいぶん長寿番組なんですね。「徹子の部屋」と称されるのも納得。

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Steely Danと言っても、AJA(1977)の頃からもうDonald FagenとWalter Becker二人のユニットになっているので、この番組でもゲストはこの二人。

Steely Danは、GAUCHO(1980)からALIVE IN AMERICA(1995)まで長いブランクがある。その間Donald Fagenはソロで超・超・超名作THE NIGHTFLY(1982)を発表。

THE NIGHTFLYがあまりに売れちゃったせいでFagenは全然仕事しなくなり、ソロとしてもKAMAKIRIAD(1993)まで長いブランクとなる。ここで二人は再会。そしてSteely Danの再結成につながります。

2002年というと、TWO AGAINST NATURE(2000)とEVERYTHING MUST GO(2003)の間。特にアルバムのプロモーションというわけではなさそう。ミュージシャンのくせに、あまり人前に出たがらない偏屈王Donald Fagenがどうしたんだろう。

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なお、Keith Carlockは、Steely DanやDonald Fagenの近作ではお馴染みの、お気に入りドラマー。

ベーシストJay LeonhartはJazz畑の人。やはりSteely Danの近作で名前をよく見る、トランペッターMichael Leonhart、ヴォーカリストCarolyne Leonhartの父親。Fagenの近作SUNKEN CONDOS(2012)に参加もしている。

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まずは二人の青春時代の音楽遍歴からトークが始まる。The Nightflyでおなじみ架空のFM局WJAZのモデルとなったFM局WEVDが出てくるのに感動。二人ともWEVDでJazzを聴きまくっていたそうな。(修正@2016/05/05)

というわけで、Steely Danの演奏は7曲ですが、Ellington Tunesが3曲もあります。おもしろい。Fagenの編曲の原点はやっぱりDuke Ellingtonであったか。

McPartlandへのリクエスト・コーナーでもStar Eyesをリクエストする二人。Jazz好きだねえ。

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Steely Danのレパートリーは3曲。AJA(1977)からJosie、KATY LIED(1975)からChain LightningとBlack Friday。

Fagenのピアノと歌、Beckerのギターという骨組みだけでSteely Danの音楽を再現するのは難しいね。

こういうライブだとFagenは声が出ないのがバレバレになるし、ホーン・アンサンブルやコーラス抜きで聴き通すのはなかなか厳しい。味のある声なんだけどね。

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ところが、Walter Beckerのギター・ソロになると、途端にSteely Danの音になるのがおもしろい。「おお、待ってたのはコレ、コレ!」と声を上げそうになった。

Steely Danというと、その95%くらいがDonald Fagenの音楽と思っていたのだが、これを聞くとWalter BeckerいてこそのSteely Danであることがようやくわかった(特に初期)。

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なかなかおもしろいCDでした。

なお、私が入手したのは輸入盤。日本盤にはトークの日本語訳がついているそうなので、トークの内容を詳しく知りたい人は、そっちを入手するのがお得。

トークの全容を理解できなくとも、飛ばしたりせずに本当にラジオを聞き流す感じにしておくのもなかなかいいですよ。

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そういえば、Donald Fagenの自伝

・ドナルド・フェイゲン・著, 奥田祐士・訳 (2014.6) 『ヒップの極意 EMINENT HIPSTERS』. 264pp. DU Books, 東京.
← 英語原版 : Donald Fagen (2013.10) EMINENT HIPSTERS. 176pp. Viking, New York.

というのも出てるんだった。これも読まなくちゃな。

それにしても最近の音楽書では、ディスク・ユニオンとP-VINEがいい仕事してる。

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(追記1)@2016/05/03

このblogはGoogleのblogを使っているんだけど、記事をuploadすると、間髪置かずGoogleのbotちゃんが回ってきて、拾って行ってくれます。Google検索でも比較的上位に置いてくれるので、ありがたい。

15分後には記事も画像もGoogle検索で引っかかってくるんですが、見たところジャケ写は自分のヤツの色合いが一番よく出てる。うれしい。ちょっと曲がっちゃったけど。

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(追記2)@2016/05/05

FM局WJAZのモデルWEVDについて補足し修正。

参考:

・SFGATE > ENTERTAINMENT > RADIO WAVES > Ben Fong-Torres/Donald Fagen's steely love of jazz radio (Published 5:20 pm, Thursday, January 2, 2014)
http://www.sfgate.com/entertainment/radiowaves/article/Donald-Fagen-s-steely-love-of-jazz-radio-5109630.php
・Wikipedia (English) > WSKQ-FM (This page was last modified on 30 April 2016, at 00:35.)
https://en.wikipedia.org/wiki/WSKQ-FM

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