2016年1月17日日曜日

音盤テルトン(10) Grace Jones 3連発 → 4連発

本エントリーは
stod phyogs 2016年1月17日日曜日 音盤テルトン(10) Grace Jones 3連発 → 4連発
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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職を変えたばかりなので、しばらくは調べものをする余裕がなさそう。最近言い訳ばかりですが、仕方ない。すいません。

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Grace Jonesを3枚 4枚拾ってきました。どれも最近再発がないので結構プレミアついてることが多いんだけど、わりと安く手に入ったんでうれしい。

まずはこれ。

Grace Jones / ISLAND LIFE [Island(ポリスター)] 1985


















01. La Vie En Rose (from PORTFOLIO 1977)
02. I Need A Man (from PORTFOLIO 1977)
03. Do or Die (from FAME 1978)
04. Private Life (from WARM LEATHERETTE 1980)
05. Love Is the Drug (from WARM LEATHERETTE 1980)
06. I've Seen That Face Before (Libertango) (from NIGHTCLUBBING 1981)
07. Pull Up to the Bumper (from NIGHTCLUBBING 1981)
08. Walking in the Rain (from NIGHTCLUBBING 1981)
09. My Jamaican Guy (from LIVING MY LIFE 1982)
10. Slave to the Rhythm (from SLAVE TO THE RHYTHM 1985)

Islandレーベル時代のベスト盤です。

内容もすごいんですが、ジャケット写真が秀逸。ジャケ買い盤の中では1・2を争う美しさ。

全10曲中、Sly & Robbieと組んだWARM LEATHERETTE、NIGHTCLUBBING、LIVING MY LIFEの3枚からの選曲が6曲を占めるわけで、充実ぶりは文句なし。加えて、デビュー作からは名演La Vie En Rose、本ベスト盤発表当時のヒット曲Slave to the Rhythmも入って、幕の内弁当度も抜群。

これは中東在住時代に買った海賊版カセット・テープで持っていて、死ぬほど聞いた。ようやくCDが入手できてうれしい。これ、アナログ盤だったら、ジャケットは一層迫力だろう。いまだ見たことはないが、ぜひ持っていたい。

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Grace Jones / WARM LEATHERETTE [Island(ポリスター)] 1980 (2016/03/14追加)


















Grace Jones (vo), Wally Badarou (kb), Barry (White) Reynolds (g), Michael (Mao) Chung (g), Robbie Shakespear (b), Sly Dunber (ds), Uzziah (Sticky) Thompson (perc)
1980.00.00 Compass Point Studio, Nassau (Bahamas)

01. Warm Leatherette
02. Private Life
03. A Rolling Stone
04. Love Is the Drug
05. The Hunter Gets Captured by the Games
06. Bullshit
07. Breakdown
08. Pars

Sly & Robbieと組んだ第1作。それまでの3作(PORTFOLIO、FAME、MUSE)のディスコ・サウンドから一変。Island Recordsの社長Chris Blackwellが直々にProduceに乗り出した肝いりのプロジェクト。そしてそれは大成功をおさめる。

何度聴いてもジャンル不詳。当時はNew Waveというジャンルに入っていたと思うが、それにしても昔の「Newナントカ」って、後になると恥ずかしいですね。一応ここでは「ソウル」というジャンルでくくってみたが、たぶん違いますね。米Black Musicとは、文脈が全然別だし・・・。結局Popsでいいような気も。

ジャケットは1983年の再発盤のもの。CD化に当たって、いくつかのトラックは12"single versionsに置き換えられている。

Love Is the Drugなんかは、ISLAND LIFEに入っている7"version(オリジナルLP版)の方(プッチョコプッチョコ電子音が入っていてオトボケ度が強い)を聞き慣れているので、CD版の方が違和感ある。

なんといっても、GraceのナレーションとSly Dunbarのリムショットを軸に展開されるPrivate Lifeが圧倒的にカッコイイ。原曲はPritendersなんだが、Sly & Robbie流に大胆に変形されている。

他の曲ではちょっとSly & Robbieの色は抑え気味。しかし、singule-cutの中では、Private Lifeが一番ヒットしたせいもあり、次のNIGHTCLUBBINGでは、Sly & Robbieの色をより強く打ち出したアルバム作りになり、Grace JonesもSly & Robbieも大爆発。

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Grace Jones / NIGHTCLUBBING [Island(ポリスター)] 1981


















Grace Jones (vo), Wally Badarou (kb), Barry (White) Reynolds (g), Michael (Mao) Chung (g), Robbie Shakespear (b), Sly Dunbar (ds), Uzziah (Sticky) Thompson (perc), Others
1981.00.00 Compass Point Studio, Nassau (Bahamas)

01. Walking in the Rain
02. Pull Up to the Bumper
03. Use Me
04. Nightclubbing
05. Art Groupie
06. I've Seen That Face Before (Libertango)
07. Feel Up
08 Demolition Man
09. I've Done It Again

Sly & Robbieと組んだ2作目。1作目のWARM LEATHERETTEはまだ拾えてないが、いずれ。

Grace Jonesを初めて知ったのはたしかこれ。角刈りの黒人女性(それも漆黒の肌)が素肌にアルマーニのジャケットを着ているという・・・とにかくジャケットのインパクトが凄すぎて、とても実在の人物とは思えなかった。Grace Jonesの本職はモデルと知ったのは、しばらくしてから。

当時は美しいというよりは、なにか恐ろしかった記憶がある。そのうち深夜TVでプロモビデオが流れるようになり、動き歌うGrace Jonesを見た。

「ええー!」驚愕でした。もうこの世のものとも思えない異様さだが、実在の人物だったのだ。さすがにあのルックスは、ジャケット用の特殊メイク&ファッションだと思っていたのが、実はあのまんま(笑)。当時は(今もだが)かなりのキワモノ扱いだったと思う。

はじめは見た目のインパクトで気になる存在だったのが、次第に音楽性の凄さに気づくことになる。

Graceの声量もすごいし、リズムの躍動感がすごい。リズムチームはご存知Sly & Robbie。Sly & Robbieをはじめて知ったのもこれだったと思う。地をのたうつRobbieのベースに、絶妙のタイミングで入るSlyのリムショットにスネア。酔いましたよ。

たしか(サブカル誌だったころの)宝島に、Sly & Robbieのインタビュー(というよりたまたま会ったので軽く雑談した感じ)があって、「今まで一緒に演って一番エキサイティングだったミュージシャンは?」との質問に、「うーん、Grace Jonesかな」と答えていた。

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Grace Jones / LIVING MY LIFE [Island(ポリスター)] 1982



















Grace Jones (vo), Wally Badarou (kb), Barry (White) Reynolds (g), Michael (Mao) Chung (g), Robbie Shakespear (b), Sly Dunbar (ds), Uzziah (Sticky) Thompson (perc)
1982.00.00 Compass Point Studio, Nassau (Bahamas)

01. My Jamaican Guy
02. Nipple to the Bottle
03. The Apple Stretching
04. Everybody Hold Still
05. Cry Now – Laugh Late
06. Inspiration
07. Unlimited Capacity for Love

快調のSly & Robbieとの3作目。

ジャケット写真は、角刈りを強調したトリミングで、シンプルながらもこれも凄すぎです。

この頃になると、Grace Jonesもキワモノではなく一流ミュージシャンとして扱われていたと思う。それどころではない。これらは今聞いても全く古さを感じないし、本当に歴史に残る名作になっていると思う。あまり再発されないのが異常だ。

バックも全く変動なし。鉄壁のリズム隊です。このバンドは当時、まるまるBlack Uhuru(Michael Rose+Duckie Simpson+Puma Jones時代)のバックバンドでもあった。どちらでも凄まじいリズムを叩き出しており、Sly & Robbieの凄さには呆れるほかない。

Black Uhuruは1984年のLive under the Skyで来日しており、すごい迫力だった。彼らのステージを見ることができたのは幸運だった。というのも、このチームでのBlack Uhuruは、この直後に解散してしまったから。

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Grace Jonesは、次作のSLAVE TO THE RHYTHM(1985)でSly & Robbieとは離れ、Trevor Hornとのプロダクションとなる。このアルバム、特にタイトル曲はかなりヒットしたが、さすがにSly & Robbieの不在は大きく、リズムの物足りなさばかりを感じた。ジャケットは相変わらず凄かったけど。

その次のINSIDE STORY(1986)、BULLETPROOF HEART(1989)も一応追っかけたが、ほとんど印象に残っていない。ジャケットはこの頃も凄いよ。

とにかくインパクトを世に残し続けている人。それは今も変わらない。「20世紀の怪人100」なんていうセレクトがあれば、必ず入るだろう(失礼!)。

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でも、Grace Jonesのミュージシャンとしての代表作が、Sly & Robbieとの3作であることには異論はないだろう。この3作はなかなか入手難なのだが、最初に挙げたISLAND LIFEをはじめ、ベスト盤はいろいろ出ているので、そちらを当たってもセレクションは大差ない。

中でも

Grace Jones / PRIVATE LIFE : THE COMPASS POINT SESSIONS [Island] 1998

というCD2枚組は、上述の3枚+未発表曲+シングルヴァージョンなどを含んでおり、ベスト盤中のベストと言えるだろう。

是非欲しいのだが、これもなかなか見かけないですね。Amazonあたりで買ってもいいんだけど、まあ店頭で遭遇する瞬間を楽しみにしていよう。

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最近、若い時に聞いてたジャズ以外の音楽(Style CouncilやらSwing Out SistersやらBlack UhuruやらPolice/Stingなんか)を再び集めているのだが、やっぱり若い時に聞いた音楽はしっくり来る。

1980年代初頭というのは、すごい面白い時代だった、と思う。が、実は「自分の若い時が一番面白い時代だった」というのは、皆がそれぞれ思っていることなので、絶対的な評価は下すことができませんね。

それぞれがそう思ってればいいのだ。

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しかし、Grace Jonesは今の時代でも十分通用するし、若い人たちにもぜひ聞いてほしい。

YouTubeあたりにもたくさん転がってるし。なによりもまず、あのヴィジュアルに腰を抜かしてほしい。そしてそこから、Grace Jones/Sly & Robbieの音楽自体に興味を持ってほしい。スゴイよ、とにかく。

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(追記)@2016/03/14

WARM LEATHERETTEの項を加えた。よってタイトルも「Grace Jones4連発」に変更。

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(追記2)@2016/03/14

こんなベスト盤もあります。

Grace Jones / ICON [Universal International] 2012 


















01. Inspiration (from LIVING MY LIFE 1982)
02. Warm Leatherette (from WARM LEATHERETTE 1980)
03. Pull Up to the Bumper (from NIGHTCLUBBING 1981)
04. Love Is the Drug (from WARM LEATHERETTE 1980)
05. Nightclubbing (from NIGHTCLUBBING 1981)
06. Use Me (from NIGHTCLUBBING 1981)
07. Art Groupie (from NIGHTCLUBBING 1981)
08. Nipple to the Bottle (from LIVING MY LIFE 1982)
09. Bullshit (from WARM LEATHERETTE 1980)
10. Breakdown (from WARM LEATHERETTE 1980)
11. Demolition Man (from NIGHTCLUBBING 1981)
12. La Vie En Rose (from PORTFOLIO 1977)
13. My Jamaican Guy (from LIVING MY LIFE 1982)
14. Feel Up (from NIGHTCLUBBING 1981)
15. Walking in the Rain (from NIGHTCLUBBING 1981)

La Vie En Rose 1曲を除き、すべてSly & Robbieとの3作からの選曲で、ISLAND LIFEよりも統一感があります。特に、最高傑作NIGHTCLUBBINGからは9曲中7曲選ばれていて、お得感あり。

名曲I've Seen That Face Before (Libertango)(Astor Piazzollaですな)が落ちたのはちょっと惜しいけど。

1 件のコメント:

  1. WARM LEATHERETTEを増補して「4連発」にしました。ついでにベスト盤ICONも。

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